店長の回想シーンその2。
のちのヘアーサロンソルシエオーナー、
当時18歳。愛媛美容学校に進学。
インターンシップで訪問した
【アンテナ】という美容室。
このお店での多くの出会いや経験が、
店長の基礎となっている。
特に、
当時スタイリストとして活躍していたアオノさんとの出会い。
師匠と慕うこのアオノさんこそが
店長の美容師歴の中で
大きな大きなウエイトを占める。
「この人のカットは上手い。教わりたい!」
と思い、インターンシップ後も直談判し、
アルバイトとして仕事をさせてもらうことになった。
そのガッツも素晴らしいが、
なにより
当時18歳のぺーぺーの若者が当時のアオノさんの技術を見て上手い!
と惚れ込んだのがすごい!
と我が夫ながら感心する。
そして、アルバイト、
とはいえ安定したお給料とは言い難い額。
そのわずかなお給料も美容道具へ投資。
決められた退勤時間もない。
厳しい厳しい修行時代のスタートだ。
平日は朝から夕方まで美容学校で授業に、実習。
夕方からは美容室へ。
営業後、レッスン。
別日にはスーパーのバイトや、配送業のバイト。
休みは月に一回あるかないか。
そんな学生時代だった。
若さは無敵だ。
多忙スケジュールをこなしつつ、
時には手を抜き、
(うまくサボるのもセンスらしい。)
時には遊び、
アンテナでは、
美容業だけでなく、接客、話術、所作、
時には悔しい思いをし、
毎日毎日自主練をし、
基礎基本を叩き込んだ。
20歳で無事、美容師免許を取得し、卒業する頃には、
アシスタント業はおおかた任され、
カットの練習も進んでいた。
そんな矢先、
先輩のアオノさんが独立のために退社。
しかもお客さんには言わずに。
「アオノさんに切ってもらえないのなら、
イサムくん、切って」
突然のスタイリストデビュー!
当時21歳のワカゾウだ。
それはそれは緊張したそうだ。
どうにかこのお客様を落胆させたくない、
どうにかして懐に入らなければ!
と食事に誘うほど、必死だったそうだ。
ありがたいことにそのお客様とは今でもご縁が続き、
そのお客様が交通面、宿泊面など、
なにからなにまで手配してくださり、
約2ヶ月に一度のペースで
東京でカットさせて頂いている。
他にも
アンテナでの修行時代をともに過ごした後輩にも恵まれ、
ヘアーサロンソルシエでも5年間、
スタイリストとして活躍してくれた。
思い出や苦しみを共有できる
唯一無二の後輩である。
そんなこんなで挫折をも繰り返しながら
厳しくも出会いに恵まれた修行時代を経て、
テイストの異なる2店舗目へと
進化を続けていくのであった・ω・